今日はお昼の携帯からの日記更新でもお伝えしていますが、富良野に行ってきました。
古くからのお客様に誘われて倉本聰さん作・演出の『明日、悲別で』という演劇を観る為です。
今日の観覧を決めたのは4月、公開初日に観に行こう、という事になりました。日にちが近付くにつれて、何て運命だろう、という想いが増えていきました。
新聞やニュースで16日にもこの国の首相・野田佳彦氏が関西電力大飯原発3,4号機の再稼働を正式に決定する、と報道されていたからです。
観劇と再稼働にどんな繋がりが、と想う方もおいでかもしれませんが、今回の倉本さんの演劇『明日、悲別で』はエネルギー問題や福島原発事故も内容に重いテーマとして出てくるのです。
ただの関心がある時に書かれた興味本位の作品ではありません。
倉本さんが1984年から『悲別』という架空の地名を使いエネルギー問題、誰もが無かった事にしたいのか、見ないふり、知らないふりをする歴史的な事実の数々、古里や人の成長と衰退という光と闇を写しだした作品として長年育ててきたものです。
その『悲別』に80年代から、その時代その時代の問題を反映させながら育ててきた作品です。
深みが違います。
歴史、人権、人情、愛情に友情、生と死、エネルギーとは何か?古里とどう関わるか、何が正義で悪かか、もう本当に本当に素晴らしい作品です。
どう素晴らしいかを伝えていしまうと、この演劇のもつメッセージが薄れてしまいそうなので、書きません。
ですから皆さん観てみてください。
この国に生き、エネルギーを使い放題使ってきた私たちには考えなければいけない問題が込められています。
この国の経済的な繁栄の後ろで起こっていたであろう現実、そして今も続いている現実、そこに関心を持ち、考え、想い出し、変えていく、その責任がこの国に今生きている私たちにはあると確信しています。
人ごとではなく、自分ごと。
そう気づけるのにも、人は『感動』という感じて動く事が大切だと想うのです。
この演劇は『重く・悲しく・暗い』ものではありません、『ハッ』と気づかせてくれるエネルギーが込められている優しい作品です。
今のところ富良野で7月8日まで公演されています。
東北被災地では特別講演として無料で観劇できるそうなので、詳しくはHPなどでお確かめの上、是が非でも、一人でも多くの方に観ていただきたいです。
今日、原発が再稼働にむけて準備に入ったそうです。
どれ程の無関心の波に呑まれようとも、どれ程の経済至上主義に勢い込まれようとも、
自己の諦めの感情が溢れ自分自身に失望しそうになろうとも、何度『絶望』にも等しい想いを抱いたとしても、
それでもこの国が私の祖国です。愛しくて愛おしい人たちが生きている国です。
だからこそ、何が起ころうともこの国で生きてゆく、それが私の選んだ道です。
今日も長々とお付き合いありがとうございました。
スピリチュアルアドバイザー奈々
2012年6月16日