今日で震災から9カ月がたちましたね。
昨日はシアターキノで上映があった『ミツバチの羽音と地球の回転』という映画と
その上映後福島から避難されている穴戸隆子さんのお話を聞いてきました。
穴戸さんは昨日初めて『ミツバチ~』を観たそうです、その感想が『祝島がうらやましい』というものでした。
『うらやましいってどういう事?』最初私は驚きました、28年間にも及ぶ原発設立反対運動をしている小さな島を取り上げたドキュメンタリー映画なのですから。
『祝島がうらやましい』その後すぐに穴戸さんはこう言いました。
『祝島の団結力がうらやましいのです。』と・・・。
穴戸さんは高校生の時に福島第二原発の復水器の事故をきっかけに、短いながらも福島で反原発の運動に参加したそうです。
その際、とても悲しい想いをし、罵詈雑言を投げられ、差別的な言葉も投げられ、とても続ける事が出来なかったそうです。
3・11の地震が起こり津波から逃げる車の中で、カーナビから『高台に逃げて下さい、高台に逃げて下さい』と呼びかける言葉を聞いて
原発は危険だとの確信と、もの凄い後悔が襲ってもいたそうです、『何故あの高校生の時原発を止めれなかったのか』と・・・。
その様な後悔や色々な覚悟から、実名も顔だしもして福島の実情や避難後の想い、葛藤、地元福島に残してきた人たちとの軋轢という現実を語っています。
そういう行動には賛否両論の思い、言葉が投げかけられたようで、
『逃げられたのはお金があったから』・地元を捨て去るように見えたのか『非国民』との言葉を受けた人もいたそうです。
穴戸さんは言います、『お金』があったから逃げたのではない、『お金』と『子どもの命』をはかりにかけた時に、私は『子ども』を取っただけだと・・・。
町の人全員を連れて逃げたかった、その運動もした、でもダメだった、皆、農業に誇りを持っていたから・・・。
そして札幌に避難してきた後、福島で孤立して避難してきた人がコチラでも孤立しないために『福島原発避難者 自治会・桜会』を立ち上げたそうです。
穴戸さんの話には、今の福島で行なわれている除染の現実、国の対応がどう地元民を苦しめているかも語ってくれました。
たった20分にも満たない短い時間のお話でしたが、とても重みのある、決して忘れてはいけない言葉や現実を教えていただけました。
最後に、穴戸さんは祝島の人たちの団結力がうらやましい、とおっしゃいましたが、祝島の方々が団結するまでにも、本っ当に色々あったのだと想うのです。
映画製作の資料的なDVDを先日観ましたが、祝島のおばあさんが切なそうに、『賛成、反対、線引きされて、ぷっつりになった(縁が切れた人いる)』と言う様な発言もありましたしね。
今回の『ミツバチの羽音と地球の回転』は16日まで、札幌の狸小路6丁目にあるシアターキノで上映されていますので、お時間つくられて観に行かれてみて下さい。
ただ概念的な『反原発』でなはなく、北欧のスウェーデンで現実的に実行されている脱石油、脱原発に向けた社会生活も映画には組み込まれており、
生きるとは、生活とは、地元とはという問題提起だけでなく、未来にむけて勇気づけられる映画でもありますのでね。
詳しくはこちらをどうぞhttp://888earth.net/top.html
スピリチュアルアドバイザー奈々
2011年12月11日